【コラム】「やはり中身が大事です」

“現代社会が直面する複雑な問題に対応するには、俯瞰的な視野を持ち、さまざまな学問分野を横断しながら幅広い知識やアイデアを駆使して解決していく必要があります。”

 

これはある大学・学部のHPに掲げられている文章。「サス学」でも常々大切にしていることですが、このような力を持つことは社会の大きな変化に適応するために必要ですね。

 

 

さて2018年の国公立大の最新志願状況。主要66校のうち志願者数の暫定トップは千葉大が1万30人で暫定倍率は4.8倍。唯一、1万人の大台を超え、昨年に続いての首位とのこと。(文部科学省公表の最終日出願状況速報)

 

実は冒頭に紹介したHPの大学・学部とは、千葉大学・国際教養学部のこと。この学部は国立大初の国際教養学部で2016年の新設。幅広い分野が学べ、留学も経験できることなどから人気を集め、志願者数に弾みをつける要因となっているそうで、国際的に活躍する人材を育てる文科省認定『スーパーグローバル大学』にも選ばれています。

 

留学について調べてみたところ、日本人大学生の海外留学は2015年度で8万4456人(前年度比3237人増、日本学生支援機構の調査データ)。2009年度以降増え続けているのですね。

 

2017年に公示された新学習指導要領(小学校は2020年度~、中学校は2021年度~実施予定)では、「グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会構造や雇用環境は大きく、また急速に変化しており、予測が困難な時代となっている」と記されていて、社会構造や雇用環境の急激な変化の要因を「グローバル化」としています。

 

その流れで、小学校では英語が教科化されてグローバル人材の育成が始まるとのこと。但し、「大事なのは中身!」と識者たちは言います。例えば、浜田一志さん(東京大学野球部監督)は「語学力の本質とは、伝える力」。

 

「語学力といえば英語を連想しますが、英語は道具であり、語学力の本質とは、伝える力だと考えています。ですから、われわれにとっては日本語の方がはるかに大事です。まずは伝える中身をしっかりもっていること。そして相手の聞きたいこと、何を欲しているか、ということを理解して伝えることです。」(産経ニュース2017.12.20

 

今後は、日常生活で使える自動翻訳技術がどんどん進んでいくことでしょう。だからこそ英語を単に話せるのではなく、自分の伝えたいことを明確にすること、相手に伝わる表現の工夫が大事になります。

2016年から一年半アメリカに駐在していたという小野寺聡さん(当時、NTTデータに勤務)は、「専門性が何より大事」と言います。

 

「結局、お前は何者で、専門性は何で、どういう生き方をしたい人間なのか、というのが自分から見ても周りから見ても分かる。本当に個が大事で、LinkedInのようなスキルや経歴もわかるようなSNSが流行るのも納得出来る。ちょっと経験があるとか興味関心があるレベルじゃ到底ダメで、自分の専門分野は徹底的に磨いていかなくてはならない。(みんなそのためにめちゃ努力してる)「自分は何の人」をあくまで明確にするということだと思う。」(HUFFPOST2017.8.21

 

 

「伝えること」以外にも、時代にとって合理性のある「するべきこと」と合理性はないが自分が「やりたいこと」を区別できること、機械に同質するのでなく自分らしさを発揮できるよう「チャレンジを続けること」なども、これからの社会では必要なスキル。そして何よりも自分という個に沿って、ありたい姿(ビジョン)と自分らしさ(価値観)を明らかにして進んでいくことが大事でしょう。

 

私は昨年から、少数の高校生たちと「サス学」をふまえたアクティブラーニング型のゼミを行っており、なるべく彼らの腑に落ちるような対話を心掛けています。自分なりの軸を持ちつつある若者たちがこれから世の中に出ていき、未来に新しいカタチを成していくことがとても楽しみです。

 

(執筆者 岸和幸:「サス学」アーキテクト)

 

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