【コラム】「One for all , All for one」

『押せ、日本。押せ! 
こんな幸福な瞬間が訪れると誰が予想しただろう。スクラムには日本中、世界中の視線に耐えうる力があると、どれほどの人が知っていただろう。日本のスクラムが、観る者の心を鷲掴みにし、揺さぶり、無上の一体感を生み出していた。』
(Number web 2019.10.6)

 

こんにちは、森のクマさんです。9月20日に日本で開幕したアジア初の開催となるラグビーワールドカップ。日本代表チームの大活躍に列島中が沸き立っていますね。

かく言う私は30年ほど昔、会社のチームでラグビーをプレーしていました。FWの1列目で1番を付けていたのですが、テレビでスクラムを組む瞬間を見る度に、習性であたかも自分が相手に当たるような感覚になります。いやはや身体で記憶したことは時間が経っても忘れないものです。

 

 

私の周りのビジネスパーソンたちで、今回のワールドカップを機にラグビーの面白さに気づいた方が多くいます。チームワークやリーダーシップなど、ラグビーとビジネスには親和性があります。伝説のラガーマン、平尾誠二さんは「ラグビーは、一人一人がどれだけ情報をキャッチできるかという能力が必要で、結局人間を見る目を養うことが大事である」と生前語っていました。

 

単に個人のその時点での能力合算などでなく、刻一刻と変化する状況に適応でき、獲得した情報を瞬時に味方へ共有する組織のシステム。世界の強豪国にはそれがあり、平尾さんが期待した方向に日本代表チームは進化してきたようです。

進化は多方面にわたりますが例えば、日本人が対戦相手に比べて個人の力が量で圧倒することは難しく、従来の常識的なアプローチでは勝つことができません。そこで、代表チームは体格で劣り体の大きさや強さでは戦えないことに対して、スピードと俊敏さを徹底的に磨きました。

 

スローガンに「ONE TEAM(ワンチーム)」を掲げる日本代表。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは、「1人の選手が何をしたということではなく、チーム全体でフォーカスした結果だと思う」と言います。

日本生まれ15名と、外国生まれ16名(このうち10名は日本の高校・大学でのプレー経験あり)で構成される代表チームは、多様性が非常に高いのですが、「ONE TEAM」のスローガンのもとで実によくコミュニケーションがとれていると多くの方が感じていることでしょう。

 

 

ところで、スイスのビジネススクールIMDが9月26日に発表した2019年版「世界デジタル競争力ランキング」で、日本は63カ国中23位というさえない順位でした。さらに評価項目の「新たな機会や脅威に対応する能力」「組織の俊敏さ」、「ビッグデータやアナリティクスの活用」などの項目では、何と日本は63カ国中最下位。

 

マイケル・ウェイドIMD教授は、ラグビー日本代表から日本の企業が学べることが多くあると言います。『多くの日本企業は、急速に変化する新しい世界で、いかに勝てるか、懸念している。ラグビー日本代表は、ひとつの力強い答えを示した。日本企業は、過去の強みや働き方に依存するのではなく、自分たちを成功に導いた多くの前提を、自ら問い直すべきだ。

 

従業員とリーダー陣の両方において真に多様性を受容・活用し、一貫性と予測可能性だけでなく俊敏性と革新にも注力していく必要がある。ラグビー日本代表の活躍は、再び世界を席巻する新しい日本の企業文化の、先駆けなのかもしれない。』(日経ビジネス・オンライン2019.10.7)

 

ラグビーの用語で有名な「One for all, All for one」。「一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために」という意味です。楕円形のラグビーボールを仲間たちとのパスでトライにつなげるように、2030年SDGsの17ゴールを達成するように目的を持って行動していきましょう。

(執筆者: 岸 和幸) 

 

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