ネクスファでの「サス学」では毎学期、テーマに関するフィールドワークに出かけ、教室の中だけでは得られない、肌感覚での実体験や、リアルな現状を見聞きしています。
今学期のテーマは「ダイバーシティ(多様性)」ということで、ご自身の経験がある人、多様性を認め合う社会の実現に向けて活動されている方にお話を伺う機会をつくりました。
お越しいただいたのは、
・オリンピック・パラリンピック組織委員会で働いた経験のある方
・外国人生活総合サービス会社に勤務している方
・性的少数者の当事者であり、声楽家・人権教育講師をされている方
・ろう者の当事者であり、産業カウンセラー・社会起業家として活動されている方
・スターバックスで、サイニングストア(ろう者・難聴者・聴者が共に働くお店)の店長をされていた方
・複数のNPOの副代表や大学の先生として、女性が理工系の分野に興味関心を持ち、キャリア選択の幅を広げる活動をしている方
という、様々なご経験をお持ちで、また活動されている方々です。
これまで教室で多様性について学んできた小学生たちですが、実際に関わっている方、また当事者の方と話すのは初めてです。ゲストと小学生がじっくり対話してもらえたらと、5~6人のグループに分かれて話を伺いました。
どのゲストの方も、ご自身の経験や取り組んでいることについて、またこどもたちが「多様性」について考えるための話題提供など、本当に熱心に語っていただきました。こどもたちも真剣に耳を傾け、必死にメモを取り、質問をする姿が印象的でした。
最後に、こんな問いをゲストのみなさんにたずねました。
■「ダイバーシティ(多様性)」を認め合う社会をつくるためには?
・自分の意見をもつこと。自分とちがう考え方も知ること。
・想像すること、考えること、知ろうとすること
・あらゆる人といっしょに話し合う、意見をかわす
・当事者の話をしっかり聞くこと
・僕も、あなたも多様性の中の1人
・自分を信じて自分の可能性をふくらませてほしい
多くの方が共通して仰っていたのが、以下のようなことでした。
「会話すること、対話すること」
「いろんな人とつながること、友達になること」
「自分を持つこと、大切にすること」。
そもそも「認め合うもの」なのか?そんなお話もありました。大切なのは、「自分とはちがう」と距離を置いたり「あの人は困っている」と決めつけるのではなく、本当のところを知ろうとすること、想像してみること、実際にやりとりをしてみること。1人ひとりにもできることがある。そんなメッセージをいただきました。
このあと、12月までの残り数回の授業で、「ダイバーシティ(多様性)をみとめあう社会をつくるには?」というテーマについての動画をつくります。ゲストの方も仰っていましたが、大人でも本当に難しく、また答えが1つに決まっているわけではないこの「問い」に対して、こどもたちがどのように考え、どのような動画を作っていくのでしょうか。
これまでの授業で学んだこと、ゲストのみなさまからいただいたお話や、かけていただいた言葉からヒントを得ながら、鋭意制作していきます。
ゲストのみなさま、貴重なご機会をいただき、本当にありがとうございました!